2018年4月21日土曜日

「辺野古ゲート前の人びと」

 先日、紋別市郷土博物館で「雀の涙舎」主催による映画「辺野古ゲート前の人びと~なぜ、ここに座り続けるのか」を観てきました。

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 「辺野古ゲート前」とは、沖縄の辺野古新基地建設現場のことです。

 そこに、新基地建設に反対する沖縄県民が座り込みを続けているのです。

 来る日も来る日も座り込み続ける彼ら。

 まさに、なぜ、ここに座り続けるのか、その核心がドキュメンタリーとして映し出されるのです。

 「えっ、そうなの。そうだったんだ」ー私は、今までの自分の考えを変えさせられました。

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 そこに座っているのは、ごく普通のおじさんとおばさんたち。

 工事用のトラックを阻止しようとゲート前に座りこみます。そこに警察機動隊が登場します。

 そして、ひとりひとりごぼう抜きにします。

 まさに、暴力的に。

 それでもひるむことなく次の日も次の日も座り込み続けます。

 そして、また機動隊が…

 おじさん、おばさんはトラックの運転手に語りかけます。

 「オジイ、オバアが生き残ったからあんたたちがいるんだよ」「基地ができたら戦争が来るよ。子どもたちに戦争を残せないよね」「あんたも一緒に基地を止めよう」と。

 ゲート前の日よけテントには、その日集まったオジイとオバアがいっぱいです。

 朝3時から準備をするといいます。お弁当を作るのです。

 そうです。ここではみんなで食事をし、歌を歌い、馬鹿話に興じながら楽しく座り込んでいるのです。

 「楽しくないと続かないからね」と話します。

 次の排除が始まるまでの間、さんしんや替え歌、踊りが厳しい時間の中で、心安らぐひと時を生み出します。

 こんな普通の沖縄のオジイとオバアが座り込んでいたなんて、知らなかった。こんなにも楽しく、生き生きと座り込んでいたなんて、知らなかった。

 だからこそ、胸を打ちます。

 あの沖縄戦での壮絶な経験が、彼らを突き動かしています。

 沖縄線での悲惨な体験を語るオジイとオバアの姿は、どの話よりも強烈に胸に響きます。

 「子や孫に同じ思いをさせたくない」-その思いが、ここに座らせているのです。

 一部に、金をもらって座り込んでいるなどと揶揄する声もあります。

 でも、真実はここにあります。

 辺野古に基地はいらない。沖縄に基地はいらない。

 このまっすぐな叫びを、私もまっすぐに受け止めたい。



2018年2月26日月曜日

先住民族アイヌとの合意形成を

 13日、紋別市役所とアイヌ民族の権利と森林資源、木質バイオマス発電所にかかわる意見交換を行いました。


 これは、先住民のアイヌの権利と環境問題などに関心のあるNPО法人の関係者やジャーナリスト、新聞記者、それに地元のアイヌ協会のメンバーらが企画し、紋別市に懇談を申し入れたもので、私も参加させていただきました。

 紋別市は森林の育成と林業の振興、環境保全を目的として『緑の循環森林認証制度(SGEC)』を取得し、その活用と保全に力を入れ、まちおこしの重要な柱として取り組んでいます。

 私も今回、初めて知ったのですが、このSGECは昨年9月と10月に『先住民アイヌ関連規格改訂』を実施し、『森林管理者はアイヌの人々の地域組織に対し、認証を取得する森林に係る森林管理計画について説明、協議しなければならない』と定められたのです。

 また、国際人権法では『森林や河川などへの影響が予想される開発事業において、地元の先住民族の方々への十分な情報提供や意見聴取、合意形成が必要』というFPIC原則というものがあるのだそうです。

 今、紋別地域の認証林を含む広い森林エリアから、木質バイオマス発電所で使用する未利用材が大量に搬出されています。

 その中には、間伐材だけでなく一般製材も含まれているといいます。

 将来に向けて、山の保全が問題になりつつあるのです。

 その意味でも、先住民への情報提供と協議、合意形成というのは重要な観点です。

 この問題で市の担当者は、先住民のアイヌに対する位置づけは必要としつつも、具体的な取り組みについてはこれから研究したい、と述べるにとどまりました。

 確かに、簡単な問題ではありません。

 そこには経済や文化、歴史などもからみます。

 差別や偏見の壁も消えてはいません。

 しかし、国際的に先住民族の人権の尊重は世界の大きな流れになっているのです。

 私も最後に発言を求め「難しい問題だが、国際的にも紋別がその先進事例をつくることが可能だ。一緒に研究しようじゃないですか」と、市の担当者に呼びかけました。

 それにしても、人権や環境問題で、いろいろな流れ、いろいろな動きが世界的に進んでいるんだなと感じましたし、勉強になりました。これからも関心をもって、行かなければなりませんね。

 札幌などからも来ていただいた皆さんに感謝です。

2018年2月15日木曜日

「合葬墓」と「水道料の軽減」~深川市視察

 2月5日、札幌市で2018年度政府予算案と地方財政にかかわる学習会に参加してきました。

 安倍政権のもと、国民健康保険制度や介護保険制度、生活保護制度などが大幅に改悪され、国民の負担が増大されようとしています。

 さらに子どもの貧困問題や雇用不安、人口減少対策など地方自治体にかかわる課題も山積しています。

 国民のためにおおもとの国政を変えることはもちろんですが、わが街で何ができるかを、真剣に考えたいと思った学習会となりました。

 翌6日、深川市を視察しました。


 テーマは二つ。

 一つは、いわゆる「合葬墓」についてです。

 近年、身寄りがいない、子どもたちも街を離れ継承者がいない、など、お墓の維持や納骨が困難な状況が生まれる場合が少なくなく、「継承者がいなくても無縁とならない墓所の整備をしてほしい」という声が聞かれています。

 実際、北見市や網走市など多くの市町村で合葬墓がつくられ、深川市でも昨年建設されました。

 これらは、個人の死生観や宗教観にかかわる問題でもありますが、少子高齢社会が進む中で、紋別市も無関心であってはならないと思い、今回深川市にお邪魔しました。

 深川市内の市営墓地の中に「やすらぎの丘」という名で建設された合同墓。約1500体を収蔵可能で、生前予約もできるといいます。

 紋別市でも、市内の社寺・教会や市民との合意を得ながら、建設に向け検討する時期に来ていると感じました。

 二つ目の視察テーマは、上下水道料金の軽減制度についてです。

 水道料金は値上げが続いています。しかもその料金は、世帯の所得に関係なく徴収されます。

 収入が増えない中、節水にも限界があります。

 低所得者への水道料金の軽減制度ができないか、つねづね考えて、議会でも取り上げてきました。

 この深川市では、昭和52年から低所得世帯への軽減制度を福祉事業として実施しています。上下水道料金の約3分の1程度を引き下げています。

 貧困と格差がますます増大する中で、この街に安心して暮らしていける政策として重要な取り組みだと感じました。

 今後の議会活動に大きく参考になりました。

 

 

 

2018年2月9日金曜日

流氷接岸


 紋別市にも流氷が接岸しました。

 なんだか、今年の流氷は勢力が強そうです。

 久しぶりというか、なんだか懐かしいような気分です。

 それにしても、流氷は美しいです。もちろん、寒さは厳しくなるのですが、それでもやっぱりきれいだと思うのです。

 紋別では今日から(2月9日)『流氷まつり』です。

「介護保険事業計画」「障害福祉計画」にパブリックコメント


 この1月も、いろいろな会議が続いたり、様々な新年会にお誘いいただいたりと忙しく過ごしたのですが、その合間を縫ってパブリックコメントの作成に取り組みました。

 さて「パブリックコメント」とは… 紋別市などがつくる事業計画の策定段階から市民の意見や要望を募集し、より市民の声を反映させようというのがパブリックコメントです。

 今回、市では「第7期介護保険事業計画」と「第5期障害福祉計画」の2本について、それぞれの「素案」に対するパブリックコメントの募集がありました。

 この二つとも、私がいつも議会で取り上げている事柄です。せっかくの機会と思い、パブリックコメントに応募することにしました。

 とはいえ、2本のパブリックコメントをほぼ同時に考えるのは、けっこう骨の折れる作業です。

 高齢者にとって、障害者にとって、そして家族にとって、本当に求められていることは何のか。

 どんなことに不安を感じ、どうしたら安心してこの街に暮らしていけるのか。

 それらの事業を担う介護者の人たちの状況はどうなのか。

 それらを念頭に、それらの内容がどう具体化されているのか、それぞれの「素案」を読み込みます。

 また、前回の計画との違いや他の市の計画の特徴なども調べます。

 そして、少しでもより良い計画になるように願い、それぞれに5項目程度の意見をまとめ、締め切りまでに提出しました。

 残念ながらパブリックコメントに応募する人は少ないようですし、その存在そのものが知られていません。

 これまでも、いくつかパブリックコメントを出してきましたが、結局、応募は私だけだったりすることも多いのです。

 でも、率直な現場からの意見や当事者からの声は必要です。それらの声が、計画をより豊かで実効性あるものにすると思っています。

 私が提出したパブリックコメントを紹介します。なお、「素案」と市からの回答は、市のホームページに掲載されます。

『第7期介護保険事業計画』について

1、介護従事者の人材確保について
 介護保険事業において焦眉の課題の一つに介護従事者の人材確保と養成、質的向上があり、避けて通れない緊急な課題となっていると考えます。今計画では、p78に「地域福祉を担う人材養成」として数行触れられている程度です。中高生からの福祉・介護に対する理解の促進、離職者への再就業の促進、介護福祉士などの養成に向けた支援、介護従事者の処遇改善、研修やセミナーの開催など、業界とともに市全体で取り組むべき課題があると考えます。より具体化を望みます。 

2、認知症対策について
 認知症高齢者への支援は、今後の介護保険事業において重要かつ緊急な課題となっています。最初に気になるのが、認知症高齢者数の推計です。P21では、平成30年度で認知症高齢者数を571人(65歳以上の7.2%)、要介護認定者のうちの割合を36.5%としています。これは少ないのではないでしょうか。例えば、道の資料でも65歳以上のうち12%近くが認知症高齢者であり、要介護認定者の58.2%が認知症高齢者だとしています。しかも、前6期の計画でも、すでに平成27年度で744人の認知症高齢者がいるとされていました。もちろん、認知症高齢者を生まず増やさないことは重要ですが、必要な対策と対応はしっかり検討すべきだと考えます。この推計の根拠と、今後の対応についてどのように検討されたのでしょうか。
 また、認知症対策についてはp49に実績が、p60に方針が述べられていますが、今後の取り組みについて、認知症カフェの開催、キャラバンメイトやサポーター養成講座の開催、様々な普及活動などを明記し、それぞれ目標値を明らかにし、市民と一体となって促進する積極的な位置づけを明確にしたほうがよいのではないかと考えます。さらに、SOSネットワークなどの活動も重要ではないでしょうか。
 認知症高齢者のグループホーム入所待機者は、どの程度いるのでしょうか。施設整備の課題は必要ないのでしょうか。気になります。

3、介護保険料の低所得者対策について
 P90で減免制度を紹介していますが、減免の条件は述べているものの、減免の内容(どの段階の保険料がどの程度軽減されるのか)が分かりません。
 また、前6期計画ではいわゆる「社福減免」について「実施されるよう取り組む」としていましたが、今回は記述がありません。その後の取り組み内容について言及すべきだと思います。 

4、提言
①高齢者の住宅対策について
 地域包括ケアシステムの構築にとって高齢者の安心・安全な住宅対策は極めて重要です。在宅で安全に暮らしていけるバリアフリーの住宅への改修は、その要ともなるものです。介護保険制度での住宅改修には限界があります。その枠を超えた場合でも、それが安全に暮らしていける改修事業なら、市独自の制度を創設し、上乗せしてでも実施すべきです。そのための市独自の住宅改修補助事業の創設を提言します。

②ちょっとした手助けの仕組みづくりを

 自立の高齢者でも、要介護の高齢者でも、ちょっとしたことができずに不便を感じ、苦労をしています。例えば、電球を代えること、家具を動かすこと、庭の草抜き、買い物や散歩の付き添い、布団干しなど。そんな、介護保険事業では救えない、でも高齢者には必要な、ちょっとしたお手伝いの仕組みが必要ではないかと思います。みんなで支える「お助け隊」的な仕組みづくりを提案します。
 

『第5期障害福祉計画』について

1、「第2章サービス見込み量と確保のための方策」全体について
 ここでは、平成27年度から29年度の実績と平成30年度から32年度の目標量を提示していますが、同時に必要なのは前回計画・第4期障害福祉計画で定めた目標量との差・違いがどうなっているかを示すことではないでしょうか。例えば、「生活介護」では平成29年度は減少すると見込んでいたのが逆に増えていること、「就労継続事業」では大きく増加すると見込んだ計画が利用量で伸びなかったこと、さらに「日中一時支援事業」では計画より大幅に実績が増えていること、などが特徴として見受けられます。前計画でのサービス見込み量と実績を明記し、その現状を分析した上で課題を明らかにし、今計画のサービス見込み量に反映するべきだと考えます。

2、「障害福祉サービス等の提供体制の確保に係る成果目標」について
 ここでは「国の基本指針に基づき、平成32年度に向けた本市の数値目標を次のように定める」としていますが、「国の指針」では5点にわたって提起しています。しかし、今計画では3点しか述べられておらず、「地域生活支援拠点等の整備」「障害児支援の提供体制の整備等(新たな項目)」の項目が示されていません。さらに精神障害者の地域移行についても、国の指針では「精神障害者にも対応した地域包括ケアシステムの構築」となり、より包括的な支援体制を求めています。確かに、紋別市としての意向はあるでしょうが、国の指針に基づくというのなら、国が示した5点にわたる成果目標について、市としての現状と課題、目指すべき方向性を明記すべきだと考えます。

3、「計画策定における基本的視点」について
 その中の「障害種別によらない一元的な障害福祉サービス等の実施」についてですが、ここでは「障害のある人」と述べられています。その範疇に、いわゆる発達障害者や高次脳機能障害者、難病患者なども含まれていると考えていいのでしょうか。当然、その方々も必要な障害福祉サービスを受けられる対象と考えます。市民にその内容を周知する上からも、それらをきちんと記述すべきと考えます。
 また、国の指針では「計画策定における基本的視点」の中に、「地域共生社会の実現に向けた取り組み」「障害児の健やかな育成のための発達支援」の項目もあったと思いますが、それらが触れられていないのはどうしてなのでしょうか。どちらも必要かつ重要な視点だと思います。

4、サービス見込み量について
 「生活介護」「短期入所」「障害児通所支援」についてですが、これらの見込み量は、計画期間中の3年間、まったく変化がありません。しかし、どの事業も、障害者のニーズは高いものであり、サービス利用の希望が多いと思います。実際、事業所等の運営上、定員の拡大などは容易ではないでしょうが、基本は障害者や家族のニーズ、その必要性から出発すべきであり、そのうえで計画を立てることが重要だと思います。障害者のニーズ、実態を反映した目標量の設定を希望します。

5、「計画の推進」について
 「障害のある人の人権の尊重と権利擁護」についてですが、「障害者差別解消法の円滑な施行」、及び「成年後見センターの設置」を文面に追加すべきと考えます。
 「従事者などの確保と資質の向上」の項目は極めて需要です。抽象的な記述が気になりますが、この立場で取り組むことを期待します。
 「計画の点検と管理」についてですが、自立支援協議会で毎年、進捗状況の把握・点検を行うとしていますが、その内容をホームページで公開することを求めます。


 

寅さんの故郷へ

 今年の正月は、思い切って妻と東京にでかけました。

 東京にいる息子との久しぶりの再会。そして、訪れてみたかった場所へ。

 一つは「いわさきちひろ美術館」。

 東京都練馬区にあるその美術館は、閑静な住宅街の中にありました。

 ちひろが暮らした自宅跡に、ちひろの死後、ちひろを愛する多くの人々の寄付などによって1977年に建てられたものです。

 子どもを生涯のテーマとして描き続けたいわさきちひろ。そのやさしい絵が、優しいまなざしがあふれる美術館でした。

 次に訪れたのが、「渥美清」演ずる寅さんの故郷・葛飾柴又帝釈天。

 わが家では、映画「男はつらいよ」の上映会がたびたび行われます。といっても、夫婦二人で酒を飲みながらですが。

 全47作。一つ一つ見ています。どの作品も、なぜか胸がジーンとして、おかしさの中にも人生の切なさを感じさせるのです。

 その映画の舞台、葛飾柴又はあこがれの場所なのです。

 

 柴又駅に降りた瞬間、「倍賞千恵子」演ずる「さくら」と寅さんが別れるシーンが浮かびます(第6作『純情編』)。

 「故郷ってやつは… 故郷ってやつはよ…」と寅さんが言いかけると電車のドアが閉まります。

 結局、寅さんはさくらに何を言いたかったのか…。深く考えさせられる印象深い名シーンです。

 そんなことを思いながら帝釈天への参道を歩きます。名物の草団子の老舗が並びます。いくども映画で流れた風景です。

 そして柴又帝釈天へ


 いつも「佐藤蛾次郎」演ずる「源公」がそうじをしていた山門をくぐり境内へ。

 そこには、「笠智衆」演ずる「御前様」がいるようです。



 足を延ばして江戸川の土手へ。

 いつも「男はつらいよ」の冒頭シーンに登場します。そこを歩くと、なんだか寅さんになった気分です。



 その足で「寅さん記念館」にも顔を出しました。「とらや」のセットが楽しい。圧巻なのは、壁一面を覆う、歴代マドンナたちの写真。どれもこれも胸に迫ります。

 いつも、マドンナに恋をしては最後に失恋。そして、また旅に出る。

 「どうして旅に出て行っちまうの?」さくらの問いに寅さんは「ほら、見な。あんな雲になりてえのよ」(第9作『柴又純情編』)

 裏の朝日印刷所の工員にもやさしい寅さん。「労働者階級のみなさん、今日も一日ほんとうに労働ご苦労様」(12作『私の寅さん』)

 そして、ふと寅さんのこんな言葉が聞こえます。「もし何かあったら葛飾柴又のとやらに訪ねてきな。悪いようにはしないから」(第13作『寅次郎恋やつれ』)

 寅さんにふと出会えた旅でした。



 帰りに、スカイツリーを(高所恐怖症のため)下から見てきました。


 


 

2017年12月28日木曜日

新しい介護計画に現場の声を~2017年第3回定例市議会一般質問③

3、介護保険と高齢者福祉について
①介護保険事業の現状と第7期計画に向けた見通しについて
②利用料3割負担の影響について
③「自立支援・重度化防止」について
④「地域共生社会の実現」について
⑤認知症対策について
⑥介護保険料について
⑦第7期介護保険事業計画策定について

〇野村淳一議員
 介護保険と高齢者福祉について質問いたします。
 5月26日、地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律、いわゆる改正介護保険法が成立しました。

 時あたかも国会では、共謀罪法案や森友、加計学園疑惑が沸騰するさなか、十分な審議もないまま採決が強行されたものです。

 この改正介護保険法は、介護利用料負担の引き上げなどとともに、自立支援・重度化防止の名による財政的インセンティブの導入、地域共生社会実現の名による高齢者福祉、障害者福祉を混在させる施策など、これまでの見直しとは一線を画する内容となっているものです。

 当然、これらの方向は現在策定作業が進んでいる第7期紋別市介護保険事業計画にも反映されるでしょう。この改正介護保険法の内容と、それを含めた第7期介護保険事業計画の策定について、以下質問いたします。

 最初に、現在の介護保険事業の現状についてお聞きします。
 まず、要介護認定者数と認定率の推移、全道平均との差、また第6期介護保険事業計画との比較ではどうか、お示しください。

 さらに、介護給付費についてもその推移と第6期計画との差についてお知らせください。

 さらに、次期の第7期介護保険事業計画における要介護認定率と介護給付費について、どのような見通しを持っているのかお聞きします。

 紋別市では、昨年度から要支援者を対象にした新しい総合事業をスタートさせましたが、その現状と今後の見通しについてもお尋ねします。

 5月に成立した改正介護保険法には、2つの大きな柱があります。1つは、介護保険制度の維持可能性の確保、2つには地域包括ケアシステムの深化、推進です。

 まず、柱の一つ、介護保険制度の維持可能性の確保の中で打ち出されたのが新たに利用料3割負担の導入です。

 年間収入単身で340万円以上、夫婦で463万円以上の場合、利用料が3割に引き上げられることになります。2年前に2割負担が導入されたばかりであり、たとえ現役並みの収入といっても、医療の負担とは違い、介護の場合は生涯にわたって負担し続けるものであり、介護サービスの抑制につながらないか危惧するものです。

 この3割負担導入の目的と意味について、そして紋別市における具体的な影響についてお知らせください。

 もう一つの柱である地域包括ケアシステムの深化、推進には何が書かれているか。

 その一つに、保険者機能の強化による自立支援、重度化防止が位置づけられています。要するに、これは介護費用を抑制した自治体に対し、国が財政支援を手厚くするという財政的インセンティブを導入しようというものです。

 今回の措置は、国が定めた指標と交付金によって自立支援をスローガンに、要介護度の低下や給付費の縮減を市町村に競わせるもので、結局、介護保険からの卒業の強制や介護認定の厳格化、窓口での門前払いなどを自治体に駆り立てる危険性をはらんでいるものです。

 必要な介護から利用者を締め出すことがあってはなりません。ひたすら介護給付費の削減を目的に推し進めようとするこれらの国の方針に対し、紋別市はどのような認識を持ち、どのように対応しようとしているのかお聞きします。

 地域包括ケアシステムの深化、推進の中にもう一つ、地域共生社会の実現という項目があります。

 これは、昨年国が打ち出した、我が事・丸ごと地域共生社会構想に基づき、高齢者、障害者両方に対応できる新たなサービス類型として共生型サービスを創設するものです。

 確かに、高齢、障害分野における行政の縦割りを是正させる面はあるものの、肝心の人員体制や介護、障害報酬についての中身はこれからで、必要なサービスの質が担保され、高齢者、障害者の願いにかなう事業になるのかは不透明なままです。

 逆に、我が事・丸ごとの名で地域住民の自助、互助に役割を押しつけ、地域福祉や社会保障に対する公的責任を縮小させていくのではないかという危惧を持つものです。

 これら国が進めようとする地域共生社会の実現に対する見解とその対応についてお聞きします。

 また、障害と高齢者福祉を一体にする共生型サービスでも、65歳になれば障害福祉から介護保険に移行する介護保険優先原則は堅持されたままです。

 65歳を過ぎた高齢障害者は、新たに介護認定を要求され、その多くでサービスが縮減され新たな利用料負担が発生するなど、高齢障害者の生活、尊厳を脅かす事態が生まれています。

 高齢障害者に対する紋別市の対応についてお聞きするとともに、介護保険優先原則を廃止するよう国に求めるべきと考えますが、いかがでしょうか。見解をお示しください。

 次に、認知症対策についてお聞きします。
 第7期介護保険事業計画においても、認知症対策は重要であり、新オレンジプランの具体化が求められています。そこで、以下の項目についてお聞きします。

 認知症サポート医の配置、初期集中支援チームの設置、認知症ケアパスの作成、認知症カフェの開催、グループホームの整備、認知症サポーターの養成、これらそれぞれの実績と今後の計画、見通しをお知らせください。

 また、認知症高齢者は障害者控除の該当になりますが、市民に対する周知と対応はどうされているのか、実績を含めお聞きします。

 次に、介護保険料についてお聞きします。
 第6期計画では、第7期計画の平成32年度の目安として、現在より1,041円高い5,361円になるとしておりましたが、どのような見通しを持っているのか、まずお聞きします。

 また、介護給付費準備基金は、平成28年度で7,600万円、平成29年度を含めると1億円を超える残高となります。その活用についてはどのようにお考えなのでしょうか。

 介護保険料の負担は、限界に近いものがあります。その値上げを抑えるための対策はどのように考えているのか、お尋ねいたします。

 さらに、介護保険料の滞納についてですが、その滞納件数と主な理由は何なのか。それによるサービス利用の停止など、ペナルティーの発生件数はあるのか、それに対する紋別市の対応はどのようなものか、お尋ねするものです。

 最後に、第7期の紋別市介護保険事業計画及び高齢者福祉計画の策定状況と今後のスケジュールをお知らせください。

 その中で、施設整備に関する計画はあるのでしょうか。また、高齢者や介護事業所へのアンケートや意見聴取、意見交換などについてはどのように対応し、どう反映されるのか。さらに、市民への周知と説明はどうされるのか、それぞれお聞きするものです。

〇宮川良一市長
 次に、介護保険と高齢者福祉についてであります。
 1点目の介護保険事業の現状と第7期計画に向けた見通しにつきましては、第6期計画中の要介護認定者数の状況は、各年4月末現在で平成27年には1,412人で認定率が18%、平成28年は1,417人で17.8%、平成29年には1,502人で19.2%と推移しており、計画での平成29年度推計は1,500人で19.4%であり、実績との比較では人数で2人上回り、認定率では0.2%下回りました。

 全道平均の第1号被保険者のみの比較では、全道値19.5%に対して本市は18.8%となり、0.7%下回っております。

 給付費総額の状況は、平成27年度は15億7,500万円、計画の17億500万円と比較して92.3%の執行率となり、平成28年度は15億7,400万円、計画の17億6,000万円と比較して89.4%の執行率となります。

 ただし、平成28年度は総合事業を1年前倒しして開始したことにより、要支援1、2の認定を受けた方の居宅介護支援事業及び訪問介護並びに通所介護の事業費は、計画作成時には給付費として計上しておりますが、これら事業の実績につきましては、給付費ではなく地域支援事業費での決算となっておりますことから、平成27年度に比べ平成28年度の執行率が下がっております。

 第7期計画における認定率と給付費の見通しにつきましては、第7期中に65歳以上の第1号被保険者数はピークを迎えますが、認定者数は今後も増加が見込まれることから、給付費につきましても増額が予想されます。

 認定率と給付費の見通しにつきましては、本年10月に開催を予定しております介護保険事業計画等策定委員会にて報告ができるよう、現在推計をしておりますことから、現時点ではお示しできないことをご理解願います。

 平成28年度から開始した新しい総合事業の現状につきましては、訪問介護及び通所介護は現行相当のサービス提供とし、柔道整復師会等の協力を得ながら通所型サービスCを新設して、事業の移行を図ったところであります。

 サービス利用者及び提供事業者におきましても、大きなトラブルもなくおおむね良好に事業移行がなされたと考えております。

 今後につきましては、利用者への給付制限につながらないよう配慮し、各介護事業者の協力を得ながら、通所型サービスA及び高齢者ふれあいセンターや地域包括支援センターによる通所型サービスBの新設を目指してまいります。

 2点目の利用料3割負担の影響につきましては、目的は平成29年第1回定例会で議員のご質問にお答えいたしましたとおり、介護保険制度の持続可能性の確保となっております。

 本市での影響は、本年8月1日現在において1,599人が介護認定を受けており、うち2割負担者が73人おります。

 この73人のうち31人が3割負担該当者となりますが、施設入所等により高額介護サービス費に該当することから、負担増とならない方が11人おり、実質3割負担該当者数は20人となる見込みで、全認定者数の1.3%の方に影響が出ると考えております。

 3点目の自立支援・重度化防止につきましては、データに基づく地域課題の分析や介護給付費適正化等、取組内容の目標指針を国が定め、その実績評価を行うこととなっておりますが、事業全体の詳細は今後国及び北海道から示される基本方針等を注視して進めてまいります。

 本市の具体的な取り組みといたしましては、本年度より地域包括支援センターに作業療法士を配置したところであり、今後はこの作業療法士が中心となり、効果的な介護予防事業を実施してまいりたいと考えております。

 4点目の地域共生社会の実現につきましては、高齢者と障害者が同一の事業所でサービスを受けやすくするため、介護保険と障害者福祉両方の制度に新たに共生型サービスを位置づけること自体は、人口減少社会においてサービス提供に当たる人材確保やサービスの一体化などの観点から、意義があるものと考えております。

 高齢障害者への市の対応といたしましては、障害者担当及び介護担当部局においてケアを必要とする利用者に対し、横断的なケア会議等を実施し、適切な支援に努めてまいります。

 介護保険優先原則の廃止を国に求めることについては、地域共生社会の実現を国が具体的に全体像を示していない現状の中で、本市においては地域包括ケアシステムの基盤整備について、とりわけ地域包括支援センターの機能強化が重要であり、高齢者や障害者の生活支援体制を整備することが地域共生社会の実現の近道と考えております。

 5点目の認知症対策につきましては、認知症サポート医の設置は本年10月に市内の開業医にサポート医研修を受講していただく予定でありますことから、研修終了後に委嘱できるよう準備を進め、認知症初期集中支援チームについても同時期に設置する準備を進めております。

 認知症ケアパスの作成は、認知症地域支援推進員が中心となり、市内のケアマネジャーにも協力を得ながら本年度末をめどに作成いたします。

 昨年から始まりました認知症カフェにつきましては、高齢者ふれあいセンター4カ所と地域包括支援センターにて年25回の開催を予定しており、参加者からは一定の評価をいただいていることから、今後も継続実施に努めてまいります。

 グループホームの整備は、介護保険事業計画等策定委員会の中で検討しておりますことから、現時点ではお示しできないことをご理解願います。

 認知症サポーターにつきましては、本年3月末現在976人、キャラバンメイト59人の登録があり、今年度はサポーター養成講座を6回開催し、88人のサポーターが新規登録となっております。

 今後は、本年3月の研修で新たにキャラバンメイトとなった方に対しサポーター養成講座の開催などを働きかけ、さらなる拡大に努めてまいります。

 認知症高齢者は障害者控除に該当しますが、その周知と対応は広報もんべつ及び高齢者や障害者のガイドブック並びに市民便利帳に記載し周知しており、平成26年に6件、平成27年に6件、平成28年に3件の実績があります。

 6点目の介護保険料につきましては、平成29年第1回定例会で議員のご質問にお答えいたしましたとおり、策定委員会にて計画の内容について議論を重ね、サービス量を推計し介護保険料を算定する必要がありますことから、現時点では困難であることをご理解願います。

 介護給付費準備基金の活用と値上げを抑えるための対策は、介護保険事業計画は3カ年ごとの給付費の予測から介護保険料を算出しておりますが、本年は第6期計画の最終年度で、昨年までの介護給付費準備基金の繰り出しも勘案しながら、第6期中に積み立てられた基金を必要以上に第7期へ繰り越すことなく、介護保険料の増額抑制のため活用したいと考えております。

 滞納者の件数と主な理由は、平成29年9月現在、前年度以前の保険料が滞納繰越しとなっている被保険者は176人おり、うち完納や分納をしている被保険者を除き、滞納のある方は130人となります。

 滞納の理由としては、納入の意思はあるが納入がおくれている58人、制度を理解しようとしない、納入の意思なし39人、生活苦を理由とする納入のおくれ29人、死亡その他となっております。

 ペナルティーの発生とその対応は、平成27年度は該当者なし、平成28年度は1人が該当、1カ月の給付減額を受け、平成29年度は1人が該当しており、16カ月の給付減額を受けておりますが、介護給付の実績がなく、実質制限を受けていない状況にあります。

 7点目の介護保険事業計画策定につきましては、本年8月に第1回目の策定委員会を開催し、制度の説明、第6期計画中の状況について説明を行いました。

 今後は、10月に第2回目を開催し、制度の詳細説明とニーズ調査の集計結果報告、12月に第3回目を開催し、計画素案の提示、来年1月に第4回目を開催し、計画素案に対する意見集約とパブリックコメントの対応、2月に第5回目を開催し、介護保険事業計画案策定の予定としております。

 高齢者へのアンケートは、一般高齢者、軽度介護認定者に対する介護予防・日常生活圏域ニーズ調査800件、うち回答数691件、在宅で要介護認定を受けている方に対する在宅介護実態調査200件、うち回答数182件、高齢者ふれあいセンターを利用している元気高齢者に対する高齢者意識調査400件を実施、アンケート結果を分析し策定委員会にて報告を行い給付費の推計や事業運営の指針としております。

 事業者に対しては、ケアマネジャー連絡協議会への関与により市内の状況の聞き取りや地域密着型サービス事業者で行われる定例の運営推進委員会へ市職員が参加し、利用者や事業者を取り巻く状況など、多岐にわたり意見交換を行っているところであります。

 市民への周知と説明につきましては、紋別市パブリックコメント手続実施要綱に基づき市民に公表し、広くご意見、ご提言を募集してまいります。
以上で答弁を終わらせていただきます。

~再質問~
〇野村淳一議員
 介護保険について。非常に丁寧にご答弁いただきましたので、繰り返すことはいたしませんが、財政的インセンティブの問題が気になっています。

 それぞれの、例えば幾つかのまちで全国的には介護からの卒業ということに着目してどんどん進めて、そして交付金を多くもらおうとするまちもあるわけですけど、しかしこれは、もちろんお年寄りの方が今できなかったことができるようになってくるということは重要なことなんだけど、しかし介護というのは今ある機能を維持するということも重要な観点で、それがお年寄りそして事業者の皆さん方、介護する方の一つのモチベーションになるわけです。

 でも、それは何も評価されないんですよ、このインセンティブが。これ非常に無理やりそうさせて、お金が欲しいために介護度を引き下げるということになりはしないかと危惧するんですが。

 その財政的インセンティブに対してどうお考えですか。私は危険だと思いますし、ぜひそんなこと考えてほしくないんですよ、というふうに思ってるんで。ちょっと担当者の意見を出してください。

○山本晃男・介護保険課長兼参事
 お答えします。
 議員おっしゃるとおり、インセンティブについては議員が思ってらっしゃることは十分考えられるとは思ってございますが、私どもとしましては、まず介護予防事業をしっかりやると。

 今年度につきましてはOT、作業療法士を地域包括支援センターのほうに配置しまして、介護予防事業をしっかりやることによって健康事業を進めると。

 それでなおかつ介護度が下がればいいというような思いはありますけれども、それが必ずしもつながるかどうかという話は健康寿命の部分だとかいろいろ側面がありますので、直結はしないと思いますけれども、まず私どもとしては包括の基盤整備及び介護予防事業をしっかりやっていって、市民サービスにつなげたいと考えております。
以上です。

○野村淳一議員
  介護予防は重要な観点です。地域包括支援センターが機能を充実させて、その機能をしっかり担っていくということは、私も賛成なので、ぜひそれを進めていただきたいというふうに思いますし、財政的な措置もぜひ進めていただきたいと思います。

 最後にお聞きします、第7期の関係ですが、私その介護をこれからの方向をつくる上で、僕やっぱり家族介護をされている方の声というのは、非常に私切実だと思っています。

 介護離職、老老介護、あるいは今子育てと介護を一緒にやっているようなダブルケアというような実態も今生まれてきています。

 認知症という問題も深刻になってきています。ぜひそういう方々の現場の思いや声をしっかりと聞いてほしい。そしてそれをぜひ反映してほしい。

 国がつくったパターンのような介護保険事業計画だけではなくて、紋別としての第7期の介護保険事業計画をぜひつくっていただきたい。ぜひそういうところに耳を傾けていただきたいということを、最後ご答弁いただいて、私質問を終わります。

○山本晃男・介護保険課長兼参事
  市民の方が、やはり生活を送っていく中で、困っているのは私どももケア会議だとかで十分聞かせていただいております。
 
 その中で、地域包括支援センターを中心となって介護事業者また関係各位皆さんのご意見をもらいながら、介護保険計画につなげたいと思ってございますので、ケア会議を中心に、地域の事情を把握することが私どもが一番大切なことではないかと思ってございます。
以上です。