2013年7月29日月曜日

国の「介入」に毅然と対峙する姿勢を

 今日の北海道新聞の「記者の視点」というコーナーに「国の介入 時代に逆行~自治体職員の給与削減」と題した論評が載っていました。

 国が東日本大震災の復興財源確保を理由に、自治体職員の給与の削減を求めた問題に対し、「地方交付税を減らして自治体に削減を迫る『兵糧攻め』のような手法には強い違和感を覚える」「国の事実上の介入は、地方分権の流れに逆行すると言わざるを得ない」と、きっぱり断じています。

 実はこの問題は、紋別市でも起こっています。7月議会最終日、この問題の議案が突然上程されたのです。

 提案理由は「国の要請に基づくもの」で、市職員や市長など特別職の給与を削減する条例案とそれに基づく補正予算案です。

 月額給与のうち一般職は1~1.7%、特別職は10%を削減。手当の削減も含め、8か月で1930万円にのぼるものです。

 私は質疑の中で「本来、給与は人事院勧告に基づいて自治体が独自に決定してきたものだ。しかし国はそれを無視し、地方交付税を一方的に削減し、強制的に給与の削減を強要してきた。それは、地方自治の根幹を揺るがすもので、断じて許されない」と述べ、宮川市長の見解をただしました。

 市長は「給与の削減要請は、まさに地方分権に逆行するが、現実に地方交付税が削減されており、苦渋の選択だ」と述べるにとどまりました。

 採決では、日本共産党市議団の2名だけが反対し、可決成立しました。

 しかしそこには、「地方自治を守る」という根本が問われる重たい課題が横たわっているのです。

 私の反対討論を紹介します。

「今回の給与の改定は、国家公務員の給与減額措置を踏まえ、平成25年度における地方公務員の給与減額措置を講じるようにとの総務大臣の要請に基づくものです。

 そして政府は、この10年あまりの国をはるかに上回る地方の行財政改革の努力を適切に評価することなく、国家公務員の給与減額措置に準じて地方公務員の給与の削減を求め、それを反映して一方的に地方交付税を削減したのです。

 地方固有の財源である地方交付税を給与引き下げの政策誘導手段として用い、国が地方公務員の給与削減を強制することは、地方自治の根幹にかかわる重大な問題であり、断じて許されるものではありません。

 そもそも地方公務員の給与は、議会や住民の意志に基づき、地方が自主的に決定すべきものであり、地方のこれまでの人件費抑制の努力を一顧だにせず、ラスパイレル指数の単年比較のみで引き下げ要請が行われたことも、断じて認められません。

 しかも、不況が続く中で、市職員の給与削減は市内経済にも大きな影響を与えるものです。

 このような理由から、今回、国の要請にもかかわらず、全道、全国でも多数の自治体が一般職の給与削減を見送っているのです。

 北海道新聞の報道では、道内41自治体で給与の引き下げを行わない判断をしたといいます。

 この立場こそ、自治体としての矜持ではありませんか。

 地方の財政自主権をないがしろにする国の傲慢さに、毅然と対峙する姿勢こそ地方自治の本旨であり、その立場を貫くべきではありませんか。

 紋別市を見ても、すでにこの10年、国家公務員の削減率が2.8%なのに対し、その10倍近い22.2%も定員を削減しており、人件費総額でも8億6600万円もの血のにじむ削減を実施してきたのです。

 それは、他の市町村に比べても大きく上回る水準であることを一言申し添えて反対討論とします。」

 

 

 

2013年7月27日土曜日

南相馬の子どもたちを紋別に

 今、福島県南相馬市の子どもたちを紋別市に呼ぼうという計画がすすんでいます。

 その名も「わくわく体験オホーツク2013」。主催は「南相馬の子どもたちを招く会」

 この代表を務める桒原務緒さんが、南相馬市の知人からの情報で始まったのが今回の取り組み。それが今、大きな市民の輪になろうとしてます。

 私も、原発被災地の子どもたちを紋別に招こうという取り組みがあるのを知り、早速、実行委員の一人として参加させてもらっています。

 南相馬市内の約3500人の子どもたちは東日本大震災による津波で、家や家族を失うなどの被害を受けただけでなく、福島第一原発からの事故で放射能におびえ、屋外に出る時間も制限されるなど、つらい暮らしを強いられています。

 もちろんそれは、南相馬市だけに限ったことではありません。

 子どもたちも、そして親たちも、先の見えない現状にいらだちと不安を募らせているのです。

 だからこそ、少しの間だけでも放射能のおびえることなく、思いっきり遊んでほしい、思いっきり深呼吸してほしい、思いっきり大地に寝ころんでほしい、と思うのです。

 計画では、8月23~25日の3日間、南相馬市の小中学生14人を招き、オホーツクタワーで泊まったり、コムケ湖でカヌー体験をしたり、とっかりセンターでアザラシと遊んだり、紋別の子どもたちと交流したりとメニューは盛りだくさんです。

 費用の面や人員の面など、まだまだ課題はありますが、準備は着実に進んでいます。

 私も今から、南相馬の子どもたちに出会えるのが楽しみです。

 そして何より願うのは、「必ず天気であってほしい」ということです。

 

2013年7月25日木曜日

就労継続支援B型「スカイピア」

 先日、NPО法人「みのり」が運営する就労継続支援B型「スカイピア」を見学してきました。

 


 と言っても何の施設なのか、ピンとこないと思います。

 でも、紋別市にとって画期的な施設が生まれたのです。

 就労継続支援B型とは、障害者総合支援法にもとづいて定められた事業で、通常の事業所に雇用されることが困難な障害者へ就労の機会を提供し、生産活動などを通じて、知識や能力の向上のために必要な訓練を行う事業です。

 そのうち、障害者が事業所と雇用契約を結ぶA型と、非雇用型のB型の2種類があり、B型は比較的利用者の意志や状況に応じて利用できる仕組みになっています。

 もちろん、生産活動に従事した分は工賃として支給されます。

 実はこの就労継続支援事業は、これまで紋別市にはありませんでした。

 お隣の遠軽町や西興部村にはあっても紋別市にはなかったのです。

 地元の高等養護学校を卒業しても、就労の場がなく、結局在宅で過ごしている子どもたちも少なくありませんでした。

 紋別市にも就労の場を、という願いは強く、一般就労は無理でも、福祉的な就労の機会が欲しい。少しでも社会に参加したい、という障害者と保護者の願いは日増しに増えていました。

 私も、この声を受け、障害者に就労の場をと、幾度となく議会で訴えてきました。全道各地の就労継続支援事業所を視察してきました。

 そこで生き生きと働く障害者の姿を見てきました。

 紋別市も取り組みを強化したいと、前向きな姿勢を示していました。

 その中で誕生したのが、就労継続支援B型「スカイピア」なのです。

 

 主な事業は清掃業務で、すでに紋別商工会議所などと契約を結び、業務を始めています。

 理事長の末広征嗣さんは、高等養護学校での清掃実習の指導を行う中で、生徒たちの意欲を生かしたいと、この事業を始めたと言います。

 私が訪れた時も一組の親子が見学に来ており、「この子が少しでも働ければ」と、熱心に内容を聞いていました。

 また、養護学校の先生たちも見学に来ており、関心の高さを感じました。

 障害があっても地元で暮らしたい、地元で働きたい、そんな願いに応えるよう「スカイピア」の今後に期待したいと思います。



 

参議院選挙が終わって

 参議院選挙が終わりました。このブログも久しぶりです。

 結果は、日本共産党は比例代表で5議席を獲得し、選挙区選挙でも東京、大阪、京都の3選挙区で議席を得ることができました。3議席から8議席への大躍進です。

 紙智子比例候補も3選を果たし、森つねと選挙区候補も27万2102票を獲得し、善戦・健闘しました。

 紋別市でも比例代表の得票数は784票で、前回参議院選挙に比べ169票、昨年の衆議院選挙に比べ238票、それぞれ増やすことができました。

 得票率でみても今回は8.05%で、前回参議院選挙に比べ3%以上も上回る結果となりました。

 森つねと候補も859票を獲得し、前回参議院選挙より187票、得票率で3.51%も増やすことができました。

 投票日の翌日の新聞もテレビも、自民党の勝利とともに共産党の躍進を大々的に取り上げていました。

 こんなことは実に十数年ぶりのことです。

 安部政権の暴走にストップを、との多くの国民の声が一つ一つ重なって、今回の結果を生んだんだと思います。

 名もなき庶民の声を、切実な願いをこんどこそ届けてほしい、そんな多くの叫びが波となって、今回の結果を作り出したんだと思います。

 そして、負けても当選しなくても、ひたすら共産党に信頼を寄せ、投票し続けてくれた人々の熱い思いが花開いた結果だと思います。

 この開始された躍進の流れをさらに大きく発展させるため、新たな闘いが始まります。

 それにしても投票率の低さはなんなんだろう。紋別市の投票率も48.86%で、全道3位の低さです。そこには政治・政党への不信とあきらめがあるのかもしれません。

 1票を投ずることで政治を変えられるんだ。その1票への信頼を勝ち取る闘いもまた、始まっているのです。